2025.04.25
ボカロ曲の祭典「The VOCALOID Collection 2025 Winter」において設定されたYamaha Sound Crossing Shibuya賞を受賞された3名のボカロPが、渋谷サクラステージ SAKURA SIDEにあるYamaha Sound Crossing Shibuyaに集まりました。Yamaha Sound Crossing Shibuya賞には体験型の副賞が用意され、プロのレコーディング・エンジニアにミキシングをしてもらえる権利と、一般公開されていないYamaha Sound Crossing Shibuyaの施設を体験できる権利が含まれていました。
Yamaha Sound Crossing Shibuyaは一般公開されているカフェ併設のLABと、アーティストエンドースメントに使用されるLOUNGE(非公開)で構成されており、Yamaha Sound Crossing Shibuya賞の提供は8階で行われました。当日はヤマハ株式会社の尾川と竹本、吉田が案内をさせていただきました。
8階のLOUNGEに入るとヤマハの歴史的なシンセサイザーや最新の楽器が並んでいるホールがあり、楽器に驚きつつも、まずはLOUNGE内の会議室に移動。受賞者同士でのアイスブレイクが行われました。同時に、Yamaha Sound Crossing Shibuya賞としてVOCALOID EDITORの追加ライセンス及びボイスバンクのライセンスが授与されました。
【祝 3位】
— ンバヂ(SUPER TETO 2後日再投稿) (@nbaji9) February 24, 2025
『カニが登場するボタン / 重音テト』がボカコレ2025冬ルーキー部門で3位になりました!
本当に皆様ありがとうございます!!
嬉しいーーー!!!
#ボカコレ2025冬 pic.twitter.com/J2avsol7mV
#ボカコレ2025冬ルーキー
— Ruliea/るりあ (@Ruliea_7) February 24, 2025
第2位でした
投稿前の自分では信じられないくらい沢山の方に聴いていただき感無量です
本当に本当にありがとうございました!🙇♂️ pic.twitter.com/D2gSdGl2oc
ボカコレ、最終結果一位でした。
— あばらや (@avaraya_p) February 24, 2025
ほんとうに、大感謝です…。
後ほどプレミア公開のリンクも用意しますので、お待ちを pic.twitter.com/ORnRngcyxg
アイスブレイクの後にLOUNGEの案内が行われました。ロビーには故坂本龍一氏に依頼されてヤマハが製作したオペラピアノが展示されています。このオペラピアノには自動演奏システムが取り付けられており、さらには坂本龍一氏の演奏が演奏データとして残されています。受賞者全員でその演奏を聞くことができました。
こちらはスティーブ・ガッド氏が実際に使用したドラムセット。ご自身で取り付けたミュートなどもそのままの状態で展示され、すぐに演奏できるようになっています。
その他LOUNGEにはギター、ドラム、ピアノ、電子楽器等、各演奏者に対応した防音室が用意されており、それぞれを見て回りました。これらの部屋はすべてDanteネットワークを用いて接続されており、レコーディングに使用することもできます。
続いてはレコーディングエンジニア中村氏を迎えての、ミックス・マスタリングセッションが開始されました。最初はンバヂさん。ンバヂさんの相談内容は、ミックスに時間がかかってしまうということでした。ミキシングの作業において、完成した音源をiPhone等のデバイスに移し替えて聞く回数が多くなりすぎてしまうことに悩んでいるとのことで、その解決策を中村氏に相談されていました。
自分の環境とYamaha Sound Crossing の違いが大きく、驚きと憧れがありました。中村さんからはミックスが良いとのコメントをもらい、とても励みになりました。中村さんは数をこなすことで経験を積み重ねたと仰っていて、プロの人でも近道はなく、今でも経験を積むことに重点をおいていることに感銘を受けました。これからスピーカーなどの機材を購入して環境をグレードアップして、より良い制作環境を作っていこうと思うきっかけになりました。
食事の後、午後はRulieaさんの楽曲について質問の時間となりました。なんとRulieaさんの曲は325トラック(モノラル換算)とのことで、ミキシングが大変であり、もう少しミキシングが上手になりたいと相談されていました。中村氏からは、他者と協業して楽曲制作をする場合には整理したほうが良いとのアドバイスがありましたが、聞いていくうちにRulieaさんの制作方法に中村氏も納得しているようでした。さらには、質問に応じてンバヂさんから自身の制作方法なども共有され、受賞者同士での情報共有も行われていました。
ひとえにとても楽しく、貴重な1日でした。自分の制作方法や楽曲を褒めていただけたり、ミックス的な観点の新しい発見もたくさんあり、嬉しかったです。VOCALOIDを使っているユーザーとして、この場所に呼んでいただけたことをとても嬉しく思います。坂本龍一さんのピアノ演奏を聞けたのは忘れられない記憶になりました。思わず息を呑むほどの音色と感動で、とても印象に残りました。ンバヂさんやあばらやとも今後のVOCALOIDについてたくさん話すことができ、創作意欲が湧きました。これを糧にまた頑張りたいと思います。
あばらやさんはピアノとボーカルのレコーディングに挑戦。LOUNGEのStudio Dに設置されたヤマハ グランドピアノS6Xを中村氏により持ち込まれた5本のマイクによりマルチトラックレコーディングしました。あばらやさんのピアノ演奏も素晴らしく、打ち込みのピアノとは異なる生ピアノの質感に、受賞者一同驚いていました。
あばらやさんの楽曲は引き続き中村氏によるミキシングが行われ、その手法が受賞者に解説されました。完成後はあばらやさんがエンジニア席に座り、そのサウンドをチェックしていました。
人生で始めてのレコーディングだったので「こんな感じなのか」という驚きが大きかったです。録音したピアノをプレイバックして聞いてみるのは新しい感覚でした。中村さんはEQとコンプだけでミックスをしていて、極めると手法を選ばないんだなということを感じました。自分も早くその段階に到達したいなと刺激を受けました。
最後に受賞者とヤマハスタッフでのフリーディスカッションの時間が設けられ、本イベントの感想や、VOCALOID製品に関する要望などについての意見交換が行われました。参加したボカロPの皆さんにはご好評いただくことができ、また、ヤマハスタッフにとってもボカロPと直接意見を交換することができた貴重な機会となりました。今後もボカロ文化を盛り上げられるよう製品開発やマーケティング活動を行ってまいりますので、ご期待ください。