2024.12.18
2024年12月18日に、VOCALOIDの最新バージョンとなるVOCALOID バージョン6.5(無償アップデート)をリリースいたしました。本記事では、バージョン6.5の概要を解説しています。
※バージョン6.4未満からバージョン6.5にアップデートする場合の重要なご注意事項
バージョン6.4は出力音に変化のあるアップデートを含んでいるため、バージョン6.4未満で楽曲を制作中の場合は、アップデート後に出力音に変化が出る場合があります。もしダウングレードが必要になった場合は、本記事末尾をご参照ください。
VOCALOID 6.5の改善点
クロスシンセシス機能が追加されました
メインチューニング機能が追加されました
VOCALOID:AIトラックのピッチカーブが自由に編集できるようになりました
息成分の強さをコントロールする[Air]パラメーターが追加されました
ビブラートの表現力を高めるビブラートアシストスイッチが追加されました
標準搭載ボイスバンクが4種類増えて、16種類になりました
VOCALOID 6.5の注意事項と入手方法
使用にあたっての注意事項
入手方法(VOCALOID Editorと標準付属ボイスバンク)
入手方法(VOCALOID SHOPで購入した場合)
入手方法(VOCALOID SHOP以外で購入した場合)
ダウングレードの方法
バージョン6.5では、VOCALOIDの表現力を高める機能が追加されたほか、いくつかの改善が行われました。
VOCALOIDトラックのコントロールパラメーターエリアに「クロスシンセシス機能」が搭載されました。ご要望の多かった機能であり、VOCALOID4に搭載されていた機能と同様の機能です。
クロスシンセシス機能は複数の声色がラインナップされているボイスバンクにおいて、声色の違うボイスバンクを混ぜて使うことができる機能です。楽曲に合った歌声を新たに作り出すことができます。
クロスシンセシス機能に対応したボイスバンクは以下よりご確認ください。
VOCALOID4と同じ機能ですが、設定方法には違いがあります。
まずメインとなるVOCALOIDボイスバンクを設定し、次いでコントロールパラメーターレーンにおいて「XSY(Cross Synthesis)」を選択。レーン上部のプルダウン(▽)から2つ目のボイスバンクを指定します。
「ピアプロキャラクターズ・スーパーパック」にも対応しており、以下ではMIKU SPをメインに、MIKU V4X Sweetを2つ目のボイスバンクとして設定しています。
コントロールパラメーターレーンで混ぜる割合を指定して使用します。オートメーションに対応するため、次第に混ざるような設定も可能です。
また、クロスシンセシスに対応したことで、VOCALOID4で作成したクロスシンセシス情報を含むプロジェクトファイル(vsqx形式)の読み込みも可能になりました。
※クロスシンセシス機能は旧来のVOCALOIDボイスバンク向け機能で、VOCALOID6以降で登場したVOCALOID:AIボイスバンクでは使用できません。
プロジェクト全体の設定項目として、[ファイルメニュー>プロジェクト設定]に、「メインチューニング機能」が追加されました。ご要望の多かった機能であり、VOCALOID4に搭載されていた機能と同様の機能です。
基準のAの音の高さを415.3Hz〜466.2Hzの間で設定できます。チューニングを変更できるようになったことで、様々なジャンルの曲に対応することが可能になりました。
なお、メインチューニング設定に伴ったピッチの変更は、合成後のオーディオに対して行われるものではなく、合成前のデータに対して行われるため、VOCALOIDトラック/VOCALOID:AIトラックの双方に対して有効です。
※オーディオトラックには作用しません。
VOCALOID:AIトラックにおいて、「ピッチ鉛筆/ピッチ消しゴムツール」が追加され、ピッチカーブを自由に書けるようになりました。任意のピッチカーブを作ることができるため、多彩な表現を行うことができます。
VOCALOID:AIトラックにおいて、息成分の強さをコントロールするための新たなパラメーター「Air(エア)」が追加されました。
同じボイスバンクでも息の強さを調整することでハスキーな声にするなど、表現の幅が広がります。
なお、「Air」パラメーターはDAW向け試作プラグインであるVX Betaに搭載されている「Air」パラメーターと同じものです。VX Betaで好評であったため、VOCALOID Editorにも搭載致しました。
※VOCALOID6 Editorの認証済みがあれば、VX Betaを使用することができます(無償)。以下ページをご参照ください。
VOCALOID:AIトラックにおいては、人間の歌唱に近づくようにビブラートの量や幅が自動的に調整されています。これらのビブラートの自動調整をオフにできる「アシストON/OFF」スイッチが追加されました。
自動調整により細かいビブラートが入らなかったノートにも、ビブラートをつけることができるようになりました。アシストスイッチは1音ごとに設定できるため、特定の音だけ機械的なビブラートになるよう調整することも可能です。
母国語を英語とするVOCALOID:AIボイスバンクが4種類追加され、全部で16種類のVOCALOID:AIボイスバンクが無償で使用できるようになりました。
なお、追加されたVOCALOID:AIボイスバンクの母国語は英語に設定されていますが、日本語・中国語を歌わせることも可能です。
※同様に、母国語が日本語に設定されているVOCALOID:AIボイスバンクに英語・中国語を歌わせることも可能です。
インストールしているボイスバンクのバージョンは、「メニュー>ヘルプ>ボイスバンクのバージョン」からご確認いただけます。
※バージョン表示はバージョン6.1以降の機能です。
VOCALOID Editorのバージョンは、起動後に上部「ヘルプ」メニューから「VOCALOID Editorについて...」を選択して表示されるポップアップウインドウで確認できます。
VOCALOID 6.5は無償アップデートです。
以下のリンクよりダウンロードページに移動し、MacまたはWindowsの「ダウンロード」を選択して下さい。
ダウンロードされるファイルはZip形式で圧縮されており、VOCALOID Editorとボイスバンク双方のソフトウェア(フルインストーラー)が含まれています。
Zip圧縮形式のファイルを解凍し、指示に従ってVOCALOID Editorをインストールしてください。ボイスバンクのバージョンが6.3未満の場合は、ボイスバンクもインストールしてください。インストール方法は以下の記事を参考にしてください。
ボイスバンクの認証が必要になる場合は、VOCALOID6購入時に発行されたボイスバンク用のシリアルコードを使用します。Webページの「購入履歴」から、ボイスバンクの項目にて「シリアルコード表示」を選択し、シリアルコードを確認してください。
符色、Po-uta、ZOLA Project等の別売りボイスバンクについては、Webページの「購入履歴」から、当該のボイスバンクの項目にてダウンロードを行ってください。
ボイスバンクを販売している各社のWebサイト等よりダウンロードを行ってください。
もしダウングレードが必要になった場合は、以下のリンク先をご参照ください。